こんにちは、あざらっしゅです。
突然ですが、皆様は「場末の雀荘」って言葉にどんなイメージがありますか?
「なんとなく怖い…」「マナ悪おじさんと同卓しそう…」
たしかにそういうイメージがあるのもわかります。かくいう私も初めは阿佐田哲也の麻雀放浪記のような世界なんだろうな、と思っていました。

では実際の歌舞伎町場末ピン東とはどういった所なのか、早速始めます!
Sweetに行こう!
13時にクアトロを出てまだまだ時間的に余裕があることに気付いた私は次の雀荘を探していた。
(24400Gの勝ち、浮いてるうちに帰るのもいいけど、せっかくの歌舞伎町だしもっと勝ちたい。)
(そういえば、クアトロと似たようなルールの店があったな。)
場末雀荘と聞いていたので、営業しているか店に電話で確認した。3コール目で50歳くらいのおっちゃんが電話に出た。聞くとどうやらフリーも営業しているらしい。
早速店に向かうことにした。店の名前は「リーチ麻雀 Sweet」甘そうな名前だが甘いメンツはおそらくいないだろう。そんなことを考えながら私は歌舞伎町の奥へと歩を進めた。
…
………
……………
「いらっしゃいませ。お客様当店は初めてですか?」
Sweetに着き、ドアを開ける。50歳くらいのおっちゃんメンバーがおしぼりを出しながら私に聞く。電話応対の時と似た声だ。
「はい、初めてです。」
「お掛けになってお待ちください」
待ち席のソファーに腰を下ろす。ソファーは所々表面の布地がはがれてクッションが露出していた。長くお客さんに愛されているということだろう。ソファーの前のテーブルには簡単なルール表が張り付けてある。
「コーラです。」
頼んだコーラが私の前に置かれると少し驚いた。声の主は金髪にメイクを盛った若い女性だったからだ。歳は私より少し上だろうか。それまでの私は場末雀荘というものは若い女性はいない世界だと思っていた。コーラに口をつけながらテーブルのルール表に目を通した。
- 条件付き東南戦で、南入条件は30000点未満。
- 南入したらサドンデスではなくオーラスまで打ち切り。
- 1-20-50。
- 即、赤、裏、リーチ後ポッチツモに1000G。青は2000G
- 祝儀牌は赤5ピン、赤5ピン、青5マン、青5ソー。
- オープンリーチあり。
- 飛びは1枚オール払い。
- ゲーム代300G(別途ドリンク代300G。計1ゲーム600G)
祝儀牌はクアトロと同じ。クアトロとルールの違う所に着目していると、おっちゃんメンバーが説明をしにテーブル向かいのソファーに座った。
「指だけ確認させてください。…はい大丈夫です。」
「マーチャオとかクアトロ行くなら、ここらへん(マナーのお願い)は大丈夫だね~」
「青5ソーは盲牌すると6ソーと間違えやすいから気を付けてね」
割と適当な感じでルール説明は終わった。青5ソーにはポッチが2つ付いていて盲牌すると、6ソーと間違えそうだなと思った。預かりと両替の40000Gをおっちゃんに渡してラス半の入っている卓を待った。
闘牌開始!
「よろしくお願いします。」
そう挨拶しても誰も目を合わさずに皆リーパイに夢中だ。私も配牌を開ける。リーパイが終わる頃に北家の私にツモ番が回ってきた。第一ツモを取りに山に手を伸ばすと同時に、下家と対面も山に手を伸ばす。
(先ヅモありね。いいね、こういう雰囲気)
先ヅモ公認卓は地元の場末ピン東南で打った時以来だ。ルール表には「先ヅモはしないでください。」と書かれていたが、そんなものお構いなしだ。「俺がルールブックだ。」と言わんばかりに手を伸ばす。そんな雰囲気が私は嫌いではない。
(言葉は必要ない。牌で語り合おう。)
私は第一打の東を切った。間髪を入れず下家と対面も切る。中盤対面からリーチが入るも、全員バチバチに前に出る。この局は上家が仕掛けてリーチをかわし1000/2000のアガリ。
初戦、私は500/1000の2枚を1回アガってあとの局は不参加だった。3着で終了。
「4着7000G、3着3500G、2着2000Gです。トップの方はゲーム代お願いします。」
メンバーがテキパキとラストを取る。Sweetの精算は5000点単位なので、このように精算に500Gを使うこともある。3着の私はトップを取った下家に3500Gを支払う。
下家がゲーム代を払って配牌をまだ開けてないにもかかわらず起家の対面が第一打を切った。心なしか打牌に力が入っている。
それからは私、下家、上家がアガり続ける展開が続いた。5ゲーム目が終わって、トビラスを引いた対面のおっちゃんがカゴバック。おっちゃんは私と同卓してから50000Gくらいストレートにやられていただろう。少し可哀そうだが卓上は弱肉強食の世界だ。精算が終わりおっちゃんが席を立つと、入れ替わりでおっちゃんメンバーが入ってきた。ゲーム代の2400Gを対面のメンバーに渡した。
「本走です。お願いします。」
6ゲーム目が始まった。
…
………
……………
その後の展開はよく覚えていない。ただ、とても調子が良かったことだけは覚えている。少しだけ気まずくなった12ゲーム目でラス半をかけた。青牌の入った手をツモアガリし続けた私のカゴには70枚ほどカードが折り重なっていた。ゲームが終わりカウンターで両替をする。
「強かったね。ありがとうございました。」
+38900G。勝利の快感に意気揚々と店を出る。クアトロと合わせると60000G以上のプラスで、概ね大勝と言って良いだろう。次はいつ行こうかと画策しながら時計を見るとまだ16時だった。ルール説明の時間と12ゲームで3時間ほど。かなり早いスピードの卓だった。
(今日は雰囲気に飲まれずいい麻雀が打てた。居心地いいしまた行こう。)
こうして私の歌舞伎町デビュー戦は金星を挙げて終了した。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
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